耳垢の状態でワキガを判断できるのでしょうか?!(耳垢の特徴、チェック判断方法のまとめ)
以前、“ワキガの特徴”に関してこのブログでも取り上げましたが、どうやら、ワキガと耳垢に関してはかなり深い相関関係があるもよう…。
実は僕も、ワキガで悩んでいた頃、かなり、耳垢がジメジメしていたことを思い出します。
今日は、少し、ワキガと耳垢の相関関係について、探ってみたいと思います。
耳垢とワキガの相関関係について
さて、さて、やはり、このあたりのことは専門医にお聴きするのが一番!ということで、いつもご登場いただく、このブログで、いつも質問に答えてくださっている先生にいろいろとお伺いしてみました。
「耳垢がどんな色をしてどのように湿っているかで、自分がワキガ体質かチェックすることができます。
その理由は、耳の中にある『アポクリン汗腺』にあります。
アポクリン腺が耳のなかに多いと、わきが体質と言えるのです。
アポクリン腺はワキガの主な原因とされています。
この汗腺から汗をかき、その汗を肌にいる雑菌が分解するとワキガ臭が発生します。
なので、アポクリン汗腺が多い人はワキガ体質である可能性も高くなります。
では、アポクリン汗腺の数を確認するにはどうすればいいか?
その方法が耳垢をチェックすることなんです。
耳垢が湿る原因の一つに、アポクリン汗腺から分泌される汗があります。
そのため、アポクリン汗腺が多いほど、耳垢も湿りやすくなってしまうのです。
そして、耳の中にアポクリン汗腺が多い人は、ワキの下にもたくさんのアポクリン汗腺がある可能性が!
つまり、耳垢が湿っている=アポクリン汗腺が多い=ワキの下もアポクリン汗腺が多くワキガ体質の可能性あり!となるのです。
通常エクリン腺の存在しない外耳道が湿っているということは、もうひとつの汗腺であるアポクリン腺からの汗が原因であり、耳の中にもアポクリン腺の瘢痕(瘢痕ですから耳が臭うわけではありません)が存在するということの証明となります。
アポクリン腺が外耳道にあるということは、一般的に体の中で最もアポクリン腺が多い場所である腋の下にも多くのアポクリン腺がある、つまりワキガ体質ということが類推できるのです。
この判定法はかなり精度が高くわたしの病院での統計ではほぼ9割以上の確率でした。
ただ、問題は「逆は必ずしも真でない」ということです。
つまり耳垢が軟らかくなく乾燥していれば「ワキガ体質ではない」という証明にはならないということです。
耳垢がパサパサしている人でも実際に手術をしてみるとアポクリン腺がかなりたくさんあるということもしばしば経験することです。
また、耳垢の軟らかさの程度とワキガ体質の強さとの関係ですが、一般的には 相関しているようです。
アポクリン腺の活動は前回お話したようにある一定の休止期間がありますので いつも湿っているわけではないのですが、耳垢の湿っている時間の長さもワキガの程度と関係があるようです。
湿り気の判断ですが、風呂上りや運動後、外気温が急激な変化、精神的に興奮や緊張をした場合には、アポクリン腺の活動を刺激したり、外耳の外側にあるエクリン腺の汗と混ざり合ってしまいますので、普段の状態で綿棒でそっとこするようにして判定してください。
通常、毎日耳の掃除をしていても綿棒に湿った耳垢が付くようでしたらほぼ間違いなくわきが体質といえるでしょう。」
とのことでした…。
ワキガ体質の人の耳垢の特徴とは?
先生、先生…。では、ワキガ体質の人の耳垢の特徴について教えていただけませんか?
「畏まりました。では以下のようなことがいえると思います。」
ということで、先生の見解をメモにまとめてみました。
飴状でかなりの粘度がある
ワキガの人の場合の耳垢の特徴は飴状でかなり粘土がある耳垢だということです。
普通の人の耳垢は粉っぽくなっており粘土がありません。粉っぽい耳垢の人は木でできた耳かきで耳垢をさっと取ることができますが、ワキガの人が木でできた耳かきで耳垢を取るとトロッとした粘着力のある耳垢が出てきます。
トロッとした耳垢は糸を引く場合もあり、綿棒で耳垢を取ろうとすると綿棒にべったりと耳垢がくっついて出てきます。
色はキャラメルのような濃い茶色
ワキガの人の耳垢の色はキャラメルのような濃い茶色をしています。
綿棒で耳を掃除したときに溶けたキャラメルのような耳垢がくっついてきたら耳垢が湿っているということなので、ワキガを疑いましょう。
普通の人の耳垢はキャラメル色ではなく白かったり黄色かったりしており、濃い色にはなりません。
いつも湿っていてべたべたしている
耳垢がいつも湿ってベタベタしている場合はワキガの可能性があります。ワキガではない場合の人の耳垢は粉っぽかったりして、ポロポロやパサパサといった感じの耳垢が多いです。お風呂上がりは耳垢と水が混ざり合って耳垢が湿っていますが、お風呂上がり以外のときにも耳垢が湿っている場合はワキガかもしれません。
皮脂が酸化したような臭いがする
ワキガの人の耳垢は皮脂が酸化したような臭いがすることがあります。
ワキガの臭いを発生させるのは汗ですが、普通の汗だとそこまで臭いません。汗を菌が分解することによってワキガの臭いを発生させることになります。耳の中にも汗を掻くので、ワキガの人は耳垢も臭うということになります。
乾燥した耳垢でもワキガの人は存在する
耳垢が湿っている人はワキガだと思われますが、ワキガの人でも乾燥した耳垢の場合もあります。耳垢が湿っていなくてもワキガの可能性が稀にあるので、耳垢が乾燥していてもワキガを疑うようにしましょう。体調によって耳垢の状態が変化することもあるので、注意するようにしましょう
耳垢でワキガをチェックするその方法とは?
先生、先生、では、どんな方法、どんな状況の時に、耳垢をチェックすればいいんでしょうか?
「そうですね、では簡単に、耳垢をチェックする方法を紹介しておきましょう!」ということで、先生からのコメントをここでまた、まとめておきます!
運動後など汗をかいている時にはしない
運動後など汗をかいているときには耳垢のチェックをするのは避けるようにしましょう。
汗をかいた後は耳の中のアポクリン腺からも汗が分泌されるため、耳の中が湿っています。
耳垢がいつも湿っているかをチェックしたいので、運動後などの汗をかいいているときはやめましょう。
入浴後やプールの後も避ける
入浴後やプールの後も耳垢のチェックをするのは避けるようにしましょう。水が耳の中に入ってしまって耳垢が湿っているのは当然ですし、水分と耳垢が混じり合って色も薄くなってしまうため色のチェックもしっかりとできなくなってしまいます。
緊張やストレスを感じている時もやめておく
緊張や不安、ストレスを感じているときは汗の分泌が盛んになり、耳の中も湿ってしまう可能性があります。ワキガ体質というわけではなくて、ただ単に汗をかいて耳の中が湿っているという可能性もあるので、ストレスを感じているときは避けるようにしましょう。
中耳炎など耳の病気がないか確認する
中耳炎などの耳の病気になると黄色っぽいどろっとした耳垢が出てくるようになります。ワキガの耳垢と似ているので見分けは難しいですが、たくさん液状の耳垢が出てくるときは注意が必要です。大人が中耳炎にかかると悪化しやすいので、気になる場合は耳鼻科にかかりましょう。
なるべく毎日耳垢の状態をチェックする
ストレスなどの影響によって耳垢の状態は変わってくるので、耳垢のチェックをしたい場合はなるべく毎日行うようにしましょう。毎日行うことで平均的な耳垢の状態がわかるようになってきます。白い綿棒を使用するようにしましょう。
なるほど…。やはり、耳垢とワキガの相関関係、なかなか深いものがあるようですね。
ワキガが心配というあなたは、こうして日々、ご自身の耳垢をチェックし、気になるようでしたら、是非、専門医に相談し、ワキガ診断、受けてみてはいかがでしょうか?